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耐震補強工事その④

鉄筋工事

みなさんこんにちは事務局の田村です。
耐震補強工事も終盤にかかり、今回は鉄筋工事をご紹介したいと思います。
前回の橋脚の躯体が割れてくの字に破壊された写真。(左)
今回の工事は、大きな地震が来てもこのような事態にならないよう、既存の橋脚を補強する工事です。
左の写真はせん断破壊と言って、縦の鉄筋を巻いている帯鉄筋が地震動で破断し、破壊された状況です。
通常鉄筋はD25より小さい径は、溶接でつながず、重ね継手で結束します。重ね継手は結束線と呼ばれる細い鉄線で、重なった箇所を2箇所つなぎます。重ね長さも決まっており、その長さ以上重ねて一体化を図ります。
しかし橋脚の補強では、厚みがないため、鉄筋端部にフックを設けることができないため、結束力が強いフレアー溶接継手を採用します。

鉄筋施工試験

鉄筋の継手は通常の重ね継手と圧接継手、先ほど書きましたフレアー溶接継手があります。
圧接とフレアー溶接を施工するには有資格者が行いますが、さらに現場ごとに技量確認試験を行います。
その試験にクリアしなければ現場で施工することはできません。
資格を所持していても、久しく行っていないペーパードライバーでは1回勝負の現場を任せることはできません。
今現在の技量を確認し、それをクリアして今回の現場も施工していただきました。
フレアー溶接技量確認試験
溶接長、厚み、外観を確認し、公的機関で引張試験を実施して、所定の強度を得られたら合格です。

圧接ですが、今回工事ではコンクリート厚が25㎝しかないため、主鉄筋を圧接で行いますと丸い球ができてしまい、その分コンクリートの充填性が悪くなり品質不良を起こす可能性があったので本工事ではエンクローズ溶接での継手を採用しました。
この施工についても、事前に技量確認を行い、引張試験で合格した職人が施工をしました。
技量確認の写真は左側
繋ぐ鉄筋に所定の間隔をあけ、溶接にて盛っていきます。
溶接に使用する溶接ワイヤーも鉄筋強度以上のものを採用します。

 

 

現場施工でも試験があります。
溶接でつないだ鉄筋箇所に不具合がないかを調べる試験です。
超音波探傷試験と言って、つないだ鉄筋を対角に超音波を流し、超音波の伝わる波形から溶接個所の不具合を確認する試験です。
試験は第三者機関の非破壊検査資格を持つ会社の有資格者が実施します。
適否はその場で判定され、否の場合はやり直しです。
鉄筋工事はそれだけ重要であり、鉄筋の溶接技術者は一切手を抜けない職人です。

鉄筋工事

耐震補強工事では、鉄筋が躯体を拘束することで耐震性を増すことになります。
鉄筋は、コンクリートに覆われていて完成形では全く見えませんが、すべての構造物で重要な働きをしています。
今回施工していただいた鉄筋工事会社は、当サイトにも掲載している原田鉄筋です。
鉄筋工事に興味のある方は、当サイトよりお問合せください。
それでは今回はこのへんで、次回は型枠とコンクリート打設工事です。

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