耐震補強工事とは?
みなさんこんにちは
今回は現在進行している工事の中から耐震補強工事について書こうと思います。
テレビなどでは首都圏のインフラ整備は前回のオリンピック開催前に集中して行われ、今に至っているものが多く、現在寿命と言われている築50年を経過したものが増えてきている話をよく聞きます。
当時の人はコンクリート構造物は永久に持つと思っていましたが、笹子トンネルの崩落事故でインフラには消費期限があることに気づかされました。(実は知っていたのですが、ほったらかしであったため補修費用が膨らみ、見て見ぬふりをしてしまったのかもしれません。インフラ事故は笹子トンネルから注目されJR高架橋や他のトンネルではコンクリート片の落下、日本ではありませんが海外では大きな橋の崩落なども起きています。)
維持修繕工事について、昔の考え方は壊れてから直す!という考えでしたが、今は予防保全という考え方に代わり、インフラなど社会に大きな影響を与えるものについては壊れていなくても定期的にメンテナンスをする方針に変わりました。実はこの方がライフサイクルコストが安かったそうです。
話を戻します。なぜ補強を行うか?
築50年が経過と書きましたが、阪神淡路大震災前です。
この地震が起きた時の出来事は忘れられません。
日本は地震大国でしたが、高度経済成長期の50~60年前以前には木造が主流であり、関東大震災の被害は倒壊もあったでしょうが、火事による焼失被害が多かったように記憶しています。(生まれていませんので文献での印象ですが)しかし高度経済成長期に木造からコンクリートへ移行し、コンクリートは永久構造物と思っていたこの時代の人にとって、地震のことなどほとんど気にしなかったのでしょう。(高度成長期後~阪神淡路大震災の間に首都圏で大きな地震は発生していなかったように思えます。)
阪神淡路大震災で高速道路の橋脚が大量に倒壊した映像は衝撃でした。
この地震によって、構造物の地震に対する強さを判定する基準が大きく変わり、新規に作る構造物はもちろん、既存の構造物の耐震化が行われるようになりました。
既設構造物の耐震化のイメージ
現在進行形の工事
株式会社市原組ではSIG会員と共に1基の橋脚の耐震補強を行っています。
この場所は海から2㎞程度しか離れていない河川内の橋脚です。
既に2基の橋脚は耐震化が完了しており、今回の工事で橋脚の耐震化が完了します。
この工事について少し説明いたします。
河川内の工事を行える期間
河川内の工事は6月~10月の期間は工事ができません。
この期間は出水期と言われ、雨が多く、河川内に支障物があると川の流れが阻害され洪水を引き起こすことが想定されるため、工事によって川の流れを阻害してしまうものは撤去しなければなりません。
右の写真のような仮設で締切る鋼矢板などが該当します。
障害物があることで、河川内の水が流れる面積が減少することで水かさが増し、洪水を引き起こすことが要因です。
特に最近の夏に起こるゲリラ豪雨による短期雨量は尋常ではないので一気に水嵩が増して洪水を引き起こします。
工事を期限内に終わらせるよう現場監督、職人たちが一丸となって頑張っています。
環境にも配慮
河川内工事のため締切内は水が多く侵入してきますのでポンプにて排水を常時行っています。
作業中に重機の作動油などが漏れても大丈夫なようにオイルフェンスを締切外に設置し、対策を行っています。
現在進行中の工事
今は仮設工事が年内に完了し、1月から締切内の掘削がスタートしました。
河川内のため水との戦いで工事は思うように進みませんが少しずつ進んでいる状況です。
続きはまた
今回は耐震補強工事について、現在進行形工事のさわりを紹介させていただきました。
工事が進んでくる3月中旬頃に、再びこの工事について中間報告させていただきたいと思います。
その頃には耐震補強の工程に進んでいるかと思います。
次回は浄水場内の補修工事について書こうと思います。
今回はこのへんで